2011年10月20日、タイ字紙タイラトの報道によりますと、大洪水の原因は3月から連続した5つの台風の影響、と言います。
まず、2011年3月、中国の高気圧によって例年より寒くて雨の日が多く、タイ南部でほぼ毎日雨が降りました。その結果、チュンポン県、スラタニ県、トラン県、グラビ県で土砂崩れが起きました。その後、5つの台風がタイに大雨をもたらしました。
1. 台風4号ハイマー(6月21日-25日、最大風速40kts、最低気圧985hPa)
2. 台風8号ノックテン(7月26日-31日、最大風速50kts、最低気圧984hPa)
3. 台風17号ネサット(9月24日-10月1日、最大風速80kts、最低気圧950hPa)
4. 台風18号ハイタン(9月25日-27日、最大風速35kts、最低気圧996hPa)
5. 台風19号ナルガエ(9月28日-10月5日、最大風速95kts、最低気圧935hPa)
◇ハイマー
2011年6月24日、ハイマー(Haima)がベトナムに上空し、ラオスや中国にも大雨を降らしました。タイ北部でも大雨となり、ナン県プア郡では24時間降水量で335.2ミリを記録しました。
この影響で6月25日、北部プレ県、チェンライ県、パヤオ県、ナン県、タク県、スコタイ県で洪水、鉄砲水、土砂崩れが起き、死者3人、105,703世帯の411,573人と159,598ライの農地が被災するといった被害が確認されました。
◇ノックテン
続いて7月25日にフィリピンを襲い、7月30日にベトナムに上陸した台風ノックテン(Nock-ten)が7月31日から8月上旬にかけてラオス、タイ北部と東北部で大雨を降らせました。
特に東北ノンカイ県ノンカイ郡で24時間降水量で405.9ミリを記録しました。この結果、20県で洪水が発生し、死者20人、行方不明者1人、負傷者11人の被害をもたらしました。また、314,732世帯の1,029,716人と農地619,723ライが被災しました。
この後、さらに3つの台風がタイを襲います。
◇ハイタン、ネサット、ナルガエ
7月27日にベトナムを襲ったハイタン(Haitang)は、28日にラオス、タイ北部と東北部で大雨を降らせました。
また、7月30日にベトナム・ハノイを襲ったネサット(Nesat)がタイにも大雨を降らせました。
この2つの台風で洪水がさらに拡大し、過去に例のない場所でも洪水が発生し、被害総額は200億バーツ以上と推定されました。また、降水量は例年より32%多いと報告されました。
そこにまた、10月5日にベトナムを襲ったナルガエ(Nalgae)が大雨を降らせました。
この3つの台風で北部、中部が長期的な大雨となり、工業団地や主要道路が冠水するといった被害が起きました。
今後も12月まで例年以上の降雨が予測され、北中部・東北部だけなく、南部でも洪水や土砂崩れなどの警戒が必要、と言います。
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